オンライン説明会のやり方完全ガイド|ツールの選び方から成功のポイントまで解説

「オンライン会社説明会を開催しているが、学生の反応が薄く途中離脱されてしまう」「ライブ配信と録画配信のどちらが自社に合っているのかわからない」と悩む採用担当者は少なくありません。

実は、オンライン会社説明会で成果を出している企業には共通点があります。弊社・MIL株式会社が10,452件の視聴ログを分析した結果、学生の53%が「深夜・早朝・土日」——つまり人事が働けない時間帯に説明会を視聴していたことが明らかになっています。この事実が示すのは、説明会の「開催形式」の選び方次第で、そもそも半数の学生に届いていない可能性があるということです。

本記事では、オンライン会社説明会の種類やメリット・デメリットから、学生を惹きつけるための具体的な開催方法や成功のコツまでを人事担当者向けに徹底解説します。

オンライン会社説明会とは?普及の背景

オンライン会社説明会はなぜ必要なのか?

オンライン会社説明会とは、ZoomなどのWeb会議システムや動画配信プラットフォームを利用して、インターネット上で行う採用説明会のことです。新型コロナウイルスの影響を機に一気に増加しましたが、現在では場所を問わず効率的に採用活動が行える手法として、規模や業種を問わず定着しています。

MIL株式会社の調査によれば、オンライン形式の会社説明会の実施率は76.4%に達しており、対面形式と並んで一般的な手法となっています。もはやオンライン化は必須の施策といえるでしょう。

出典:MIL株式会社「【26卒新卒採用】約300社の人事採用担当者の声が分かる『説明会白書』」

オンライン会社説明会の基本形式:ライブ配信

リアルタイム(ライブ)配信型の特徴

オンライン会社説明会の基本形式は、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールを使って指定日時にリアルタイムで配信する「ライブ配信型」です。

  • 双方向のコミュニケーションが可能
  • 熱量や雰囲気が伝わりやすい
  • トラブル対応のスキルが必要

ライブ配信は、チャット機能や音声を通じて、その場で質疑応答ができる点が最大の特徴です。学生の疑問を即座に解消できるため、志望度の向上につながります。その反面、当日の進行スキルや、予期せぬ通信トラブルへの対応力が企業側に求められます。先述の『説明会白書』では、オンライン形式が定着する一方で、依然として「リアルタイムでの実施」に依存している企業が多い実態が読み取れます。まずはライブ配信をしっかり設計・運営することが、オンライン採用の第一歩となるでしょう。

「参加できない学生」が生まれる構造的な課題

一方で、ライブ配信型の本質的な課題は、開催日時に都合のつかない学生が参加できないことです。MIL株式会社の「採用説明会自動化の実態調査」によれば、説明会動画視聴の53%は人事稼働外の時間帯(夜間・早朝・休日)に行われています。授業・アルバイト・他社選考が重なる中で、ライブ配信の日程に合わせられない学生は相当数いることが伺えます。


出典:MIL株式会社「採用説明会自動化の実態調査」

この課題を解決する手段として、ライブ配信とは別に「オンデマンド(録画)配信」を組み合わせるという考え方があります。ライブで収録した映像をそのまま録画として公開することで、都合がつかなかった学生にも同じ情報を届けられます。

オンライン会社説明会を開催するメリット

オンライン開催にはどのような利点があるのか?

オンライン会社説明会を開催する最大のメリットは、場所の制約をなくし、企業と求職者双方の負担を減らしながら母集団形成を最大化できる点にあります。

企業側のメリット

企業側にとっては、採用活動の効率化とコスト削減が大きなメリットとなります。

  • 【遠方からの母集団形成が可能】
    地方や海外に住む求職者にもアプローチできるため、優秀な人材と出会う確率が飛躍的に高まります。
  • 【会場費や設営費用を削減できる】
    物理的な会場を手配する必要がないため、金銭的コストが削減されます。
  • 【人的リソースを最適化できる】
    特にオンデマンド配信を活用すれば、同じ内容を何度も繰り返す必要がなくなり、個別フォロー対応や選考業務など、本来注力すべきコア業務に時間を割きやすくなります。

学生・求職者側のメリット

求職者の立場では、時間やお金の負担が減ることが最も喜ばれるポイントです。

  • 移動時間や交通費がかからない
  • 気軽に参加できる
  • スケジュール調整が容易になる

交通費の支払いや長時間の移動が不要になるため、遠方の志望企業であってもエントリーのハードルが大きく下がります。また、Z世代の学生はタイムパフォーマンスを重視する傾向があり、手軽に参加できるオンライン形式は彼らのニーズに合致しています。

オンライン会社説明会の開催方法・必要な準備物

快適な配信を行うためには何が必要か?

本章では、現在多くの企業が実施している「リアルタイム(ライブ)配信型」の開催方法を中心に解説します。オンデマンド(録画)型の詳しい作り方や配信のコツについては、以下記事をご覧ください。
関連記事:オンデマンド型(録画配信)会社説明会とは?メリット・デメリットとツール比較

1. 安定した通信環境と配信機材の整備

質の高いライブ配信を実施するためには、パソコン内蔵の機材に頼らず、外部機器と安定した通信回線を確保することが必須です。

  • 光回線および有線LAN接続

  • 外付けマイクとPCスタンド
  • リングライト(照明)

映像や音声の乱れは、企業の印象を大きく損なう原因となります。通信を安定させるため、配信用のパソコンは有線LANでインターネットに接続することをおすすめします。ノイズを防ぎクリアな音声を届ける外付けマイクや、顔の印象を明るくするリングライトを用意すれば、よりプロフェッショナルな印象を与えることができます。

2. 配信ツールの選定

ライブ配信の目的に応じて最適なツールが異なります。代表的なツールを以下に整理しました。

ツール Zoomウェビナー Google Meet Microsoft Teams
主な特徴 学生の利用率が高く、チャット・Q&A・挙手機能が豊富。配信品質が安定している Googleアカウントがあれば無料で利用可能。Googleカレンダーとの連携がスムーズ 社内ツールとしてTeamsを導入済みの企業で展開しやすい
こんな企業に向いている 質疑応答を重視したい・参加人数が多い企業 コストを抑えたい・少人数向けの説明会 社内IT環境がMicrosoft系に統一されている企業

なお、ライブ配信後の録画をオンデマンドとして公開する場合は、配信プラットフォームの選定が別途必要になります。オンデマンド配信に使うツールの比較については「オンデマンド型(録画配信)会社説明会とは?メリット・デメリットとツール比較」をご参照ください。

オンライン開催のデメリットと失敗を防ぐ成功のコツ

開催方法がわかったところで、次にオンライン特有の課題(デメリット)と、それを乗り越えて学生を惹きつける「成功のコツ」を確認しましょう。

企業・学生が抱えるデメリット(課題)

オンライン会社説明会には、画面越しならではのコミュニケーションの難しさや、通信環境に関する不安も存在します。

  • 企業側のデメリット:社風や熱量が直に伝わりにくい、参加者の反応が読み取りづらい、運用面での「ブラックボックス化」(誰がどこまで視聴したか把握しにくい)
  • 学生側のデメリット:通信環境によるトラブルの不安、企業のリアルな実態が見えにくい、質問するタイミングが掴みづらい

デメリットをカバーし成功させる4つのコツ・ポイント

これらの課題を把握し、事前に対策を講じることが成功への近道です。一方通行な説明を排除し、以下のポイントを意図的に取り入れましょう。

【1. チャットやアンケートによる双方向コミュニケーション】

参加者を「聞くだけの傍観者」にさせない工夫が求められます。リアルタイム配信の場合、質疑応答やクイズ、チャット機能を意識的に盛り込むことが有効です。これにより「反応が読み取りづらい」「質問しづらい」という双方の課題を解決します。

【2. 飽きさせない時間配分と構成案の作成】

オンラインでは対面よりも集中力が切れやすいため、ライブ配信であれば60〜90分、オンデマンド配信であれば60分未満(理想はさらに短く)にまとめるのが適切です。オンデマンド動画の場合は、テーマごとにチャプターを分けることで、学生の満足度が下がりにくくなります。
参考記事:「会社説明会の時間はどのくらい?所要時間・開催時間帯・配分のポイントを徹底解説」

【3. 徹底したリハーサルとトラブル対応の準備】

本番と全く同じ環境でテスト配信を行い、音声の大きさや映像の乱れがないかを確認します。学生が抱える通信トラブルの不安を払拭するためにも欠かせません。

【4. カメラ目線と明るい話し方による印象操作】

画面に映る資料ではなく、カメラのレンズを直接見て話すことで「自分に語りかけられている」という印象を与えられます。「社風や熱量が伝わりにくい」というデメリットを軽減する重要なテクニックです。

ライブ型オンライン説明会をさらに成功させる「前後」の設計

前のセクションでは当日の運営のコツを紹介しましたが、説明会の成否は開催前の集客設計と開催後のフォローアップでも大きく変わります。

開催前の集客設計と開催後のフォローアップのポイント

【1. 申込後のリマインドを2段階で送る】

説明会への申込から当日まで間が空くと、参加を忘れたり他の予定が入ったりして欠席率が上がります。前日と当日朝の2回、簡潔なリマインドメールを送るだけで当日参加率を高めることができます。

【2. 当日の進行台本を事前に作る】

即興で進行すると、時間超過・内容の抜け漏れ・Q&Aの空白時間が起きやすくなります。「何分に何を話すか」「Q&Aで社員に振る質問の例」まであらかじめ用意しておくと、登壇者の負担が下がり安定した運営・進行ができます。

【3. 終了後すぐに「次のアクション」を案内する】

説明会直後は、学生の志望度と記憶が最も高まっている瞬間です。終了後できるだけ早く「次のステップ(ES・個別面談の案内等)」を送ることで、熱量が高いまま選考に進んでもらいやすくなります。フォローが翌日以降になるほど、志望度が下がるリスクがあります。

【4. ライブ配信の録画を「次の資産」として活用する】

ライブ配信後の録画映像は、そのままオンデマンドコンテンツとして公開することができます。1回の収録で、都合がつかなかった学生にも同じ情報を届けられる——ライブとオンデマンドを組み合わせることで、接触できる学生の母数を大きく広げられます。

まとめ:自社に最適なオンライン会社説明会を構築しよう

本記事では、オンライン会社説明会の種類やメリット、準備から成功のコツまでを解説しました。

  • 形式の選択:リアルタイムとオンデマンドの特性を理解し、使い分ける
  • 環境の整備:安定した回線と外部機材を用意し、配信の品質と企業ブランディングを高める
  • 離脱の防止:双方向コミュニケーションとコンパクトな時間配分を徹底する

タイムパフォーマンスを重視する現代の学生は、「自分のタイミングで効率よく、かつ深く知れる環境」を求めています。まず取り組むとしたら、現在のライブ配信と並行して、同じ内容をオンデマンド化することです。一度録画しておくだけで、これまで都合が合わずに接触できていなかった学生——53%がいる深夜・土日の時間帯——にも届けられるようになります。オンデマンド配信の具体的な設計・運用については「オンデマンド型(録画配信)会社説明会とは?メリット・デメリットとツール比較」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

山田 耕平
MIL株式会社 執行役員

2019年にMIL株式会社に参画。インタラクティブ動画プラットフォーム「MIL」のビジネスサイドの各チームをマネジメントし、事業成長を牽引。長期化・早期化が同時に進む新卒採用の構造的課題を解決するため、「インタラクティブ体験(IX)」を提唱。HR領域に特化した「インタラクティブ採用」の推進責任者を務める。